RESEARCH STORY研究秘話
ニンニクが体の中から
エイジングケア!
私たちは、健康食材として知られる「ニンニク」が
オートファジー機能に与える影響に着目しました。
生のニンニクを加熱し熟成などの加工処理をすると、含有成分(主に硫黄化合物)が化学的修飾などにより構造変化したり、他成分へ変換することが知られています。
市場にはいろんな種類のニンニクがあり、健康によいと漠然と言われてますが(精がつく、脂肪代謝を促進する等)、しかし、その機能性メカニズムなど詳細はわかっていません。
そこでオートファジー研究所はニンニクをあらゆる方法で加工し、様々な角度からその機能を検証し、これまでのニンニクにはない、オートファジー活性機能を持つ加熱発酵ニンニク粉末を開発しました。
オートファジーの働きを高めて
エイジングケア!
「加熱発酵ニンニク粉末」
オートファジー研究所が開発した「加熱発酵ニンニク粉末」を研究した結果、【オートファジー活性の亢進機能】が見られました。この機能は独自の加工処理を行うことで生のニンニクや加工ニンニクと比較し、大幅に上昇することがわかっています。
オリジナル2段階製法
様々な製法を試しましたが、ニンニクをオリジナル2段階製法で粉末化することで、生ニンニクと比較し5.5倍の抗酸化力、1.5倍の細胞賦活力を実現することが出来たのです。
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加熱
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発酵
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フリーズドライ
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抗酸化力
抗酸化力が高いと…
細胞を傷つけ、様々な病気をもたらす活性酸素から体を守る力がUP!
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細胞賦活力ふっかつりょく
細胞賦活力が高いと…
細胞が活発になり、細胞増殖力や代謝がUP
加熱発酵ニンニク粉末が
受精卵に及ぼす影響について
早稲田大学と共同で論文を発表
ニンニクは、食品のなかでも古来より様々な健康増進効果を有することが示されてきました。また、高い滋養強壮効果があることも分かっています。そこで我々はニンニクに着目し、男性不妊の観点から受精卵の発育を高める研究を行ってきました。ニンニクは滋養強壮効果を有しますが、特定の加工を施したニンニクのエキスには生のニンニクよりも高い効果があることが報告されています。すなわち、熟成することによって得られる成分が、ニンニクの滋養強壮作用に機能する可能性が考えられます。
ニンニクの滋養強壮作用については、抗酸化作用との関連が示唆されていますが、抗酸化力測定試験では、加熱発酵ニンニクは、生ニンニクの5.5倍、加熱ニンニクの6倍の抗酸化力が確認されています。また、動物細胞を用いたオートファジーへの影響を検討した試験では、様々な加工を施したニンニク加工食品の中でも強いオートファジーを亢進する活性を見出しています。オートファジー活性が高い受精卵は、初期胚発生率や着床率が高いことが明らかになっています。
早稲田大学
人間科学学術院
原太一教授
体外受精での例
不妊治療の一種である体外受精は排卵前に体内から取り出した卵子と精子の受精を体外で行う受精法です。 一般的には受精後2~5日の体外培養後に子宮内に胚移植することで着床へと進みます。
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培養
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移植
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着床
しかし、加齢や疾患などにより受精卵の健全性が低下している場合、受精が出来たとしても細胞分裂が途中で停止する現象が起こり、着床に至らないことがあります。
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培養
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分裂を停止
早稲田大学人間総合研究センターと実施した共同研究で、加熱発酵ニンニク粉末で前処理した精子は、受精すると細胞分裂の停止を回避し、初期胚発生率(受精卵が細胞分裂を進め着床の準備状態である胚盤胞になる割合)を向上させることを見出しました。
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2細胞期以降の分裂停止発生率
加熱発酵ニンニク抽出液で前処理した精子由来の受精卵と、未処理精子由来の受精卵で2細胞期以降の分裂停止発生率を比較。
未処理の場合36.5%の発生に対し、前処理を施した場合7.0%と分裂停止の発生を抑制した。 -
胚盤胞発生率
加熱発酵ニンニク抽出液で前処理した精子由来の受精卵と、未処理精子由来の受精卵での胚盤胞発生率を比較。
未処理の場合28%の発生に対し、前処理を施した場合55.9%と発生率は増加を示した。
- 掲載:
- 学術誌2020年7月号「薬理と治療」(ライフサイエンス出版)
2020年6月
「オートファジー調節剤」として
特許を取得しました